医療法人恭青会の医療関係者向け情報メール
電子版 慈育7号

待ちに待った春到来です。皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。

今回は「眼科的愁訴と診断(白内障編)」のお話をさせて頂きます。

医療法人恭青会
理事長 生野 恭司


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眼科的愁訴と診断(白内障編)

今回は、検査機器がない在宅訪問診療や内科診察室等での、問診の取り方についてお話をします。たとえ眼科診断機器がなくとも、問診だけで緊急性もしくは方向性を見いだすことは可能です。最終的な診断には眼科診断機器が必須ですが、今回は患者様の眼科的訴えに対して、ある程度絞り込みを行うように問診の取り方についてお話しします。

 

まず、重要なのは愁訴の絞り込みです。一言に見えにくいと言っても、霞むように見える・暗点・歪み・視野欠損等の様々な視力低下があります。患者様には具体例を示して、どのような症状なのかを聞いていく事が必要です。

最も多い訴えは霞みです。慢性期もしくは亜急性の場合、特に高齢者の方は白内障のことが多いです。このような場合、慌てることはありませんが、愁訴の発症時期がはっきりしている場合、他の疾患のことがあり注意が必要です。

また霞むといっても、視野全体なのか一部分なのかによって診断が変わってきます。前者の場合は白内障と考えて差し支えないですが、後者の場合は網膜疾患も考えられます。したがって、霞みといってもより詳しく問診することが重要で、範囲や発症の仕方などを具体的に聞くことが重要となります。

 

また、夜間の羞明(まぶしい感じ)は白内障の判別に必要です。夜間運転時に、瞳孔が開いた状態で対向車が非常に眩しく感じた場合は、高確率で白内障と考えられます。また白内障の場合、進行する近視や乱視を訴えることもあります。特に強度近視の場合、白内障の進行とともに毎年眼鏡やコンタクトレンズを調節しなければいけないことが多々ありますし、一部の白内障では2重視、3重視など乱視と勘違いされることも多々あります。

 

暗点や歪み、視野欠損は一般的に重大な網膜疾患や神経疾患が絡んでいることが多く、特に注意が必要です。この判別に関しては今後お話ししますが、まずは患者様に眼科受診を勧めることが無難と考えます。また疾患が慢性的なのか急性的なのかによっても変わります。このように愁訴をゆっくり聞くだけで、ある程度の判別は可能です。このような情報が先生方の日常診療のお役に立てればと願っています。


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